癲癇(てんかん)って何?
深夜の悪夢
とても暑くて寝苦しい日だったので、クーラーをつけて部屋を締め切って寝ていました。
「…誰!?」
寝室のトビラを空けて黒い人影がゆっくり中に入ってきました。隣では妻も、まだ6ヶ月の息子も寝てる。自分がしっかりしなくては。
ベッドから起きようとすると、そこで記憶が途切れました。
…次に意識がはっきりした時には、周りを救急隊員の人に囲まれていました。でもけっこう強く噛んだらしい舌と、とにかく腰が痛い。動けない。
そのまま搬送され、緊急入院となりました。
深夜にも関わらず来てくれたお義母さんに抱っこされながら泣いている息子の顔が今でも忘れられません。
今思えば、あの夜の夢か現実かわからない「それ」は、私の人生という部屋の中にこの憎き悪魔が入ってきたプロローグだったのかもしれません。
2019年8月10日、31歳にして初めてその後癲癇(てんかん)によるものだろうと判断される急性症候性発作(痙攣・けいれん)を経験しました。
2020年6月現在、つい先日のものを含めて5回の発作を経験しています。
このブログには闘病記的な意味合いもあるので、今回はプロフィールにも関わる癲癇(てんかん)という病気と私の出会いについて綴ります。
皆さん、癲癇(てんかん)って知ってる?
…そもそも、皆さん癲癇(てんかん)って病気ご存知ですか?
正直に言って私は全くわかっていませんでした。
癲癇(てんかん)とは、脳神経の病気です。
脳神経細胞の過剰興奮によって、意識を失って痙攣(けいれん)等の発作を起こしてしまう神経疾患の事です。
かなり古い時代から存在し、場合によってはいわゆる「憑き物」が悪さをする病気と思われていたようです。
そのため、いまだに多くの差別や偏見が残っていると言います。
また、この病気をもつ人が運転中の発作で自動車事故を起こし罪もない複数名が死傷される等、近年でも傷ましい事件が多く起きているという話をよく聞きます。
(もちろんまだ自身には発作がコントロールできないと予想できたにもかかわらず運転してしまう重過失の場合もありますが)そうとも言い切れないケースもあったり、「癲癇と運転免許の関係」という難しい問題もあります。
病気の詳細については、このあたりが参考になると思います。
紹介のサイトにもあるように、この病気にはまず大きく2つの分類方法があります。
1つは全般発作(脳全体から発作が始まるもの)なのか部分発作(脳の一部分から発作が始まるもの)なのか。
また、もう1つは症候性(脳の損傷や異常などあきらかな原因があるもの)なのか、特発性(原因がはっきりしないもの)なのか。
他にも年齢や、明確な「○○症候群」等病気としての分類、さらに細かい発作の具体的な症状等、様々な分類があります。
ちなみに私の発作には、以下のような特徴がありました。
- 全般発作、かつ特発性
- 強直間代発作(意識を失い全身を硬くする強直発作と、一定のリズムで痙攣する間代発作を交互に繰り返す)
- 約2~3ヶ月に1度頻度
- (ほぼ)睡眠中に限った発作
- 何故か腰椎(背骨)圧迫骨折や腰痛を併発
これは載せるかどうか少し悩んだのですが(少し衝撃的…グロ? & 自分のプライバシーの心配?)、よりリアルに伝えるため、敢えて私の発作時を撮影した動画を紹介します(4回目の発作の時に妻が撮ってくれました)。
すみません、逆にちょっとぼかし過ぎていて伝わらないですかね?(笑)
もし寝相が悪いだけに見えたら申し訳ございません。
吃逆(しゃっくり)をするように一定のリズムで震えていることと、また良く見ると口の辺りが途中赤くなっている(想像するだけで気持ち悪くてすみません。舌を噛んだ際の血がまるで吐血するように大量に溢れています)ところがポイント(?)ですのでそこだけでも伝われば。
あっ、頭のあたりが白いのは何か症状ではなく冷えピタを貼ってるだけです。
そう思うと今思えばその日も何だか体調不良(頭痛)があったのも原因と関係があるのでしょうか。
…いかがでしょうか。
全く馴染みのない方は、少しこの病気についてイメージが湧いたでしょうか?
これまでの経過
はじめての発作
さて、少し戻って冒頭書いた「深夜の悪夢」のその後です。
初めての発作の時には、妻が救急車を呼んでくれてそのまま5日間の入院。
…と言っても何かたいそうな治療が行われたわけではなく、夏休み期間だったこともあって病院にはあまり専門医がおらず、不運にも無駄に長く入院しただけのような気もします。
ただ当時は(本来は癲癇の症状としてはあまりないはずの)腰痛が激しかったこともあってどの道自分でなかなか動けなかったため、今となっては結果的に入院は良かったのかもしれません。
癲癇という病気の一つのポイントとしては、発作を「繰り返す」ということがあるようです。
つまり、逆に言えば一回発作が起きただけでは癲癇とは診断されません。
そのため、私も初回の発作時にはあくまで「急性症候性発作」とだけ診断されました。
(私は入院のため機会もあって各種検査を行って異常が認められなかったこともあるかもしれませんが)平たく言うと「原因はよくわかりませんし、熱中症か何かでしょう」という診断結果に終わりました。
はっきりと「癲癇」と診断され、闘病生活が始まったのは2回目の発作が起きてからです。
少しこれまでの経過を整理してみようと思います。
発作歴
以下、私の発作歴と(発作時はほとんど自分は意識がないので)ほとんど妻が残してくれていた記録です。
(※そのため主語はほとんどウチの奥さんとなりますですのでご注意ください)
- 2019/8/10【第1回目】ベッドにて就寝中
20時頃帰宅後、夕食。入浴後23時頃就寝。0時頃に突然血を吐いて(結果的には舌を噛んだ際の流血)突然痙攣しだし、しばらく意識消失していたため、救急車要請。
総合病院に救急搬送
- 2019/10/10
(間隔61日)【第2回目】風呂でうたた寝中風呂場で大きな音がして向かうと、浴槽で頭が沈んでバタバタしていた(お風呂入って10〜15分ぐらい?)。声をかけても反応がないので起こそうとしたら痙攣していた。目を見開いて虚空を見つめていて、口は開いていた。よだれが出ていた。全身を突っ張っていた。30秒ぐらい+お風呂の水が抜けるまで+少しの間、意識朦朧が続いて声掛けに反応なし。1分ぐらいで目玉が動くようになったが、意思疎通はできず、声掛けに戸惑っていて、状況が理解できていない様子。動くこともほとんどできていない。それでも浴槽からフラフラ立ち上がる。支えがないと立っていられない。支えて風呂場から出て寝っ転がるも、背中が強烈に痛む様子。背骨が痛いと言っている。湿布を貼って、水を飲み、そのまま寝る。足先が冷たくて血が巡っていない様子。筋肉痛みたいに足の節が痛いと本人も言う。重力がすごくて立てないとのこと。前回は前日に飲み会があり、そこそこに酔っていたが、今回は前々日に飲み会で、そこまで酔っていなかったはず。当日は飲酒なし、天気も暑くなく涼しかった。夕飯の食事内容が脂っぽかった?(前回焼肉、今回餃子の王将)
翌日外来
- 2020/1/12
(間隔94日)【第3回目】タクシーでうたた寝中伯父に不幸があり、実家に戻り所用を済ませた帰りのタクシーで、肉体的にも精神的にも疲れて寝てしまった時に発作。タクシーの運転手さんからすると当然びっくりして救急車要請。自分に意識がはっきりした時には、丁度運転手さんから救急車に引き渡される所。そのままいつもの総合病院に搬送。
総合病院に救急搬送
- 2020/3/5
(間隔53日)【第4回目】ベッドで就寝中(今回は3時間程あけて深夜に2回発作)①いびきが突然大きくなったと思ったら発作。ごぶごぶと音がして、液体が口の中にある感じ。いつもより吐血量が多い気がして救急車要請。痙攣は1〜2分ぐらいだったが、声掛けに反応するまで戻るには10分かかる。救急隊員来る頃には意識戻るが、相変わらず何が起こったかわからない。とりあえず様子見ることにして、今回搬送は無し。
②いびきがすごいと思ったら、また発作。同じく吐血がすごい。声掛けを抑えていたら、痙攣1〜2分のち、身体を起こして喋るものの、速攻目を閉じて睡眠続行。意識としてはずっと寝続けてるんだろうなという感じ。その後も声掛けしなかったため睡眠。脈が突然早くなることがあり、また起こるんじゃないかと心配。いびきがすごい。(近くに予約があったため)
後日外来 - 2020/5/25
(間隔81日)【第5回目】ベッドで就寝中寝室でうめき声のようなものが聞こえた気がして見に行くと、痙攣していた。顎を持ち上げ、舌を噛まないようにするも、少し血の泡を吹いてごぶごぶいっている。痙攣の仕方はいつもどおりで、目を開いて焦点の合わない状態。痙攣自体は2分ほどでおさまるも、足が落ち着かない様子で曲げたり伸ばしたりしている。15分ほど、意識覚醒したり爆睡したりを繰り返す。その間話が噛み合わない状態だけど、自分から喋ったりしている。痙攣した意識は無い様子。
(近くに予約があったため)
後日外来
つらつらと長くなってしまいましたが、その分リアルに伝えられていれば幸いです。
「いびきがすごい」だけでなく、奥さんが気にしてるのが「その日は酔っ払いかどうか」である点や、「その日の夕飯餃子の王将」など、いつもの不摂生があらわになって恥ずかしい(笑)
上に書いた「私の発作の特徴」とも少し重複してしまいますが、これまでの共通点から、
- 肉体的・精神的な疲労(仕事やプライベート)
- 不摂生(食べ過ぎ・飲酒)
- 薬が効いていない(都度追加の処方)
- 良質ではない睡眠
…等が考えられる原因なのでしょうか。
(医師はあくまで「原因不明」と診断してくれているので自分の勝手な想像です)
まとめ
今、まさに私はこの病気と闘っています。
前回の発作からの日数を数えて、「そろそろか」等と思うこともあります。
最初は薬をもらえばそれで止まるものだと思っていました。
だけど結局発作が起こってはその都度新しい薬をもらうという繰り返し。
今は「まずは発作をコントロールできるようになりましょう」と医師に言われる時期のようですが、これまでできていない以上それすら信じられなくなっています。
また、薬は予想以上に高額だったり、現状運転免許も取消扱いになっており、生活もだいぶ変わってきています。
実際に仕事は担当業務を変更され(営業から内勤に)、今後も当然自動車に乗る仕事はできないわけで。
はっきり言って社会人としても、パパとしても不安ばっかりです。
タイトルには軽く書いてしまいましたが、本当に人生の転換期になってしまいました。
笑えない掛詞です。
…でもだからこそ本当にプラスの意味でてんかん期になればいいと思っています。
例えば営業とは違う内勤の時間の使い方に価値を見出して自分を磨いてみたり、
或いは同様にこの病気と闘っている人と繋がったり、突然発症して不安を抱える人の力になったり。
今後はシリーズ化して、例えば運転免許との関係や、医療費の軽減(「自立支援医療制度(精神通院医療)」等絶対に紹介したい制度があります)の話など掲載していくつもりです。
また前回の発作(2020年5月25日)から、これまでの発作のない最長の日数(93日)を足すと2020年8月23日。
私自身のその後についても都度報告させていただきます。
少しでも参考になれば。
それでは。