オトコはフローチャートでないと物事を理解できない
(ここは前置きです 笑)
さぁ、私ふと思うんです。
大学も文系、本業も金融系ですし、エンジニアさん? プログラマーさんやら、専門に扱う方には「素人が何言ってるの」と思うかもしれませんが…
物事をなんでも「フローチャート」にして欲しい、と。
…もちろん仕事もそうですよね。
新人教育に携わる時期なんかもありましたので、業務フローを人に伝える時なんかは尚更です。
世の中何か新しいことを学ぶ時に要所要所を教わる(調べる)んですが、それが一体どんなアクションから派生したのかが全くわからない。
また、今スタートとゴールの間のどの位置にいるのかわからない。
タイトルに「オトコは~」と付けてしまっているのもあんまり良くないかもしれませんが、
「プロセス」よりも「結果」を重視する男性脳だからこそ、詳細な課程を知る必要があるテーマにおいてはそこを不安に思う気がします(私だけ?)。
今日はそんな一例を私の経験を踏まえて共有させていただきます。
お産を最初からわかる人なんていないから
お産の流れはちんぷんかんぷん
プロフィールにも書きましたが、2019年1月31日に第1子が誕生しました。
「結婚式に慣れている新郎新婦なんていないから…」みたいなCMがいつぞやありましたが、お産を最初から完璧にわかる夫婦なんていません。
(他人事にせず妻をフォローしなくてはいけない立場の夫が簡単にそんな事を言ってはいけないのですが)
オトコにとってはなおさらです。
実際にお腹に胎動を感じ、そしてお腹を痛め子供を産む女性に比べて男性が出産を実感するのはだいぶ遅いようです。
…後で書きますが、妻はそれなりに難産でした。
利用した病院をそこまで悪く言うつもりはありませんし、それなりにお世話になりまして感謝しておりますが、一方で正直に言って「不親切」を感じる場面も多くありました。
…全然、寄り添ってくれる「説明」がないんですね。
今の時代Google先生に聞けばだいたいの疑問は解決できますが、妻子の命に関わることをなかなか理解できないのは本当に歯痒いものです。
また、結果として私の中で大きな誤解なんかもありました。
今日はそんな話を語りたいと思います。
私の最大の誤解
なんでしたっけ「鼻からスイカ」とか「腰に金属バット」とか、陣痛の痛みの話はなんとなく昔から知ってましたからイメージはありました。
日本には“お腹を痛めて産んだ子”という表現があるように、陣痛があるからさらに出産を、育児を大きなものにしている印象があります。
…だから私は陣痛が直接イコール子供を産む事なのかなぁと誤解していました。
もちろん間接的には間違いではないんですが、陣痛は「子宮収縮」の事であり、そしてそれが続くことで「子宮口を開大させる事」を言うようですね。
じん‐つう〔ヂン‐〕【陣痛】 の解説
1 分娩 (ぶんべん) の際に規則的に反復して起こる、子宮の収縮およびそれに伴う痛み。2 物事を実現させるための苦労。生みの苦しみ。
そう、「子宮の収縮活動」が主な意味であって、痛みはあくまでそれに付随するもの。
さらにいえば、その「子宮の収縮活動」は結果的に赤ちゃんの通り道を大きくしようとする動きだということ。
だからもちろん間接的には間違っていないんですが、私はなんとなく赤ちゃんが出ようとするから“痛い”のだと思っていました。
つまり私の最大の誤解は、陣痛の段階では赤ちゃんはまだ出ようとしてないのに、「妻が痛がっている」それ即ち「産まれる」と思っていたこと。
…なんだか繰り返しになってしまってすいません。
このニュアンス、伝わりますか?笑
ここをもっとしっかり理解していれば、当時のような歯痒い思いはもう少しマシになっていたと思うんです。
実体験と教訓
妻の難産
日 | 時 | 出来事 |
---|---|---|
1日目 | 22:20 | 風呂の中で陣痛かもと妻。 少し前にあった前駆陣痛(?)の方が痛かったとして確証が持てない様子。 |
22:25 | 約5分の間隔でもう一度陣痛。 | |
22:40 | 約15分の間隔になり、3回続く。 | |
23:25 | 以降約10分の間隔が続く。 | |
2日目 | 0:10 | 既に10分未満のため、「陣痛きたかも」アプリは病院への連絡を急かしてくる。 このまま0時半を過ぎたら開始からおよそ2時間経過となるので病院に連絡しようと妻と相談。 |
0:30 | 同様の陣痛が続くため、病院に連絡。対応した寝ぼけたお婆さんから、間隔、痛みの内容、予定日、最終検診日とその結果等を確認され、病院に来るよう指示を受ける。 | |
0:45 | 着替え、荷物整理してから「陣痛タクシー」に連絡。 | |
0:50 | 約5分後にタクシー到着 | |
0:58 | 約3分で病院に到着。インターホンを鳴らすと先程のお婆さんが対応。保険証を出してお待ちくださいと指示。 | |
1:00 | 看護師さんが玄関解錠。自分は1階ロビーで待つように指示。妻は2階へ案内。 「モニター(NST※ノンストレステスト・お母さんと赤ちゃんの体調監視装置のこと?)をとるので30分程度かかります」とのこと。 |
|
1:35 | 看護師さん1階に降りてきて案内。「モニターの結果だと、確かに5分間隔になっているんですが、どうしてもまだ痛みが弱いようです。子宮口も指一本分から変わらずです。とはいえ間隔のこともあるので、奥様はこのまま入院という形になります。ご主人はタクシーお呼びしますか?」とのこと。 もう当然のように帰されそうになっていることに唖然。ポカンとして「妻は今…?」と言うと、「そういえばご主人、立ち会い出産ご希望でしたね。ただ、立ち会いは本当にその時だけですし、基本的には10:30以降の面会時間にしかご面会いただけません。立ち会いも、あまりにも急な場合や同時に分娩が重なる場合はお断りしているんです」と、とにかく引き離したい様子。「妻に一声だけでも…」と交渉すると、渋々2階に案内。 |
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1:45 | 診察室で妻と面談。 「お母さん(妻の母)に連絡する?」等相談。 担当医(おばあさん)が割って入って「お母さんも面会は10:30から。必ずマスク着用で」と発言。それを聞いて看護師も「あっご主人もね」とのこと。 携帯使えるか確認のうえ、スマホの充電器を渡す。一声かけて面会終了。 |
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1:55 | 自分は徒歩で帰宅。 | |
2:30 | 入院している妻とはしばらくLINEで会話。 妻は同程度の陣痛(痛みは若干弱まるものの間隔は5〜10分と短い)。 お互い一晩中そわそわしながらもなんとか休息。 |
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7:30 | 間隔が広くなって来たため帰らされることになるかもしれないと妻から連絡。 9時から医師の診察が受けられるとして、一時保留。 |
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8:40 | 妻曰く、痛みの種類が変わってきた。腰中心だったのがお腹中心になったとのこと。 子供の位置が変わってきてるのかと淡い期待。 |
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9:10 | 医師の診察を経て、帰宅させられることに。 | |
(2日目 |
妻は日中痛みと闘いながらも、多少弱まったこと、良くも悪くも慣れてきたことから家で過ごす。 | |
19:00 | 痛みが強まりどうにも我慢できないと、改めて病院へ。 | |
21:00 | またしても妻のみ入院となり、自分は帰宅させられる。 | |
23:00 | LINEで連絡を取り合っていたものの、このあたりから音信不通。 (後で妻に聞くと、既に痛みが今までで1番強くなっていたとのこと) |
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3日目 | 4:30 | 妻からかろうじて連絡。 「痛みが辛く、連絡が滞る。引き続き病室で待機。 たまに来る看護師のチェックでは『少しづつ下がってきているし、子宮口も開いている』と報告されてはいる」とのこと。 |
6:00 | めざましテレビ「(紙兎)ロペまち占い」にて、妻の星座しし座の運勢が「新しい仲間と打ち解けるチャンス♪ 明るい笑顔でオープンに話しかけて」と出る。 | |
9:00 | それまで引き続き妻の連絡は滞る。 診療開始時間になったので病院に向かい妻と合流。 |
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(3日目 日中) |
妻は終始今までで一番強い陣痛で辛い様子。 よく聞くテニスボールで腰を強く圧してあげる等、無力な夫のささやかな手助け。 妻は分娩室でいつでも…という状況にも関わらず、病院の案内としては一向に動き無し。 約1時間に1回看護師のチェックでも特に動き無し。 数時間に1回の医師の診察においても特に説明もなく動き無し。 |
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18:00 | 医師から説明があり、「陣痛の強さ・頻度ともにいつ産まれてもおかしくないレベルだが、どうにも子宮が十分に開いていない。いわゆる『軟産道強靭』と言われるもので、子宮口が固く開きにくい症状」とのこと。 帝王切開に切り替えるとして、承諾書等を書かされる。 |
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18:30 | 開始と言われた時間だが手術は始まらない。 | |
19:00 | 手術開始。 やはり手術室に付き添いは出来ず。 |
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19:13 | 始まってすぐに息子の産声が聞こえる! お義母さんとドア越しに聞き耳を立てる。 身長53.0cm、体重3,714gの息子が無事に誕生。 |
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19:40 | しばらく自分やお義母さんはガラスごしの対面。ちっちゃい。よく泣く。可愛い。 | |
20:30 | 自分だけは分娩室に入れてもらい短時間ながらも初めて息子を抱かせてもらう。幸せ。 |
…リアルに書こうと思ったら少し長くなってしまいましたね。
(一方で途中からそれどころじゃなくなって記録と記憶が曖昧&省略のため重要なところのみとなっておりますすみません)
つまり妻は自然分娩と帝王切開の両方の痛み・リスクを経験したということです。
…ところどころ病院への嫌味のようになってしまっていますが、実際に気になったところです。
ゴールは妻の安全と大切な息子の元気な誕生としても、“ 今 ” いったいどの地点にいるのか、それが全くわからない。
こんな想いから、タイトルの通りフローチャートにしてみました。
経膣分娩フローチャート
…結局プロの方からしたら基本がなっておらず、一般の方からも逆に見づらいようなフローチャートになってしまい申し訳ございません。。。
でもとにかく(繰り返しとなりますが)、
これを伝えたかったわけです。
…冒頭から書いていた『私の誤解』も伝わりますでしょうか?
陣痛は直接的には分娩には繋がっていないし、その間にはもう何ステップも挟むことになる。
いかがでしょう?
フローで考えるとお産の流れの全体像も見えてきませんか?
おわりに
参考情報
いくつかしれっと専門用語(?)を登場させてしまっています。
今回はなおさら自身の無知の歯痒さがテーマであったにも関わらず、説明なくして終わらせてしまうのも少し記事と矛盾する気がするので、いくつか解説を入れておきます。
「陣痛きたかも」アプリ
陣痛の頻度・程度・間隔等をボタン一つで記録できるアプリ。
同様のアプリはいくつかありますが自分達はこちらを使いました。
陣痛タクシー
いろいろなタクシー会社が一つの専門サービスとして行っています。
事前に家や病院を登録しておくことで迅速に、なおかつ妊婦さんに配慮してくれるタクシーを呼ぶことができます。
タクシー会社、住所などで事前にサービスを選んでおくと良いでしょう。
NST
本文でも簡単に説明していますが、実際に妻が病院で使用されたものがこちらです。
その名の通り赤ちゃんにストレスをかけずに、胎児心拍数(赤ちゃんの心拍)とお母さんの子宮収縮(おなかの張り)を分娩監視装置という機械でグラフ化することで、「赤ちゃんが元気かどうか」を見る方法です。
おれポエム
なんかまとまらなくなったので、最後ポエムで締めます(謎
しばらく背中からのハグだった。 おなかに壊してはいけない存在があったから。 283日ぶりに妻を正面から強く抱きしめた。 君が産まれたのは、1月31日(愛妻の日)でした。
…うん、おあとがよろしいようで(?
それでは。